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FSHD ニュースレター Vol.4 – 2024年6月発行

更新日:6月21日

FSHD ニュースレター Vol.4 – 2024年6月発行

1.第6回FSHD生活向上委員会 開催報告2024年5月11日、第6回FSHD生活向上委員会 を開催いたしました。このセミナーは、FSHDに関わる最新の研究と治療法、患者やご家族のQOL(生活の質)向上につながる情報を共有するためのものです。今回のセミナーは、16:00から18:00までの2時間にわたり、オンラインで行われました。


(1)松村先生による講演「ドラッグロスを防ぐには」松村先生は、FSHD(Facioscapulohumeral Muscular Dystrophy)の発症メカニズムと治療薬開発の現状について詳しく説明されました。FSHD患者さんは4番染色体にあるD4Z4と呼ばれる繰返し配列の短縮やメチル化を制御する遺伝子の変異によって、通常は発現していないDUX4というタンパク質が異常発現することで、筋肉が壊れ易くなります。治療薬の開発は、DUX4を抑制するものから筋肉量を調整するものなど多様なターゲットに対して進められており、国際共同治験が行われているものもあります。しかし、日本では患者登録数が少なく、海外企業に対してアピールが難しい状況にあります。また、専門機関を定期的に受診されている患者さんが少ないため、専門医が育ちにくく臨床データの蓄積が乏しいことも問題です。ドラッグロスを防ぐためには、以下の点が重要であると強調されました。


①患者登録の促進

②自然歴データの収集

③専門機関受診による専門医の育成


患者の皆様の協力が不可欠です。是非ご協力をお願い申し上げます。


(2)高木沙祐里さんによる講演「障害者である前に1人の人間として」

高木沙祐里さんはデンマークのエグモント・ホイスコーレンでの留学経験を通じて、障害者支援の制度や施設の大切さだけでなく、人と人との繋がりの重要性について語ってくださいました。エグモント・ホイスコーレンでは、健常者と障害者が共に学び生活を共にする教育システムが整っており、障害者への支援体制も充実していました。しかし、高木さんは、制度や施設は人々の生活を支える枠組みに過ぎず、社会を作るのは一人一人の人間であると実感されたそうです。違いを認め合い、お互いを尊重することの大切さを改めて考えさせられる講演でした。


(3)FSHD患者会の活動と今後の方針

会議の最後には、FSHD患者会の活動内容や今後の方針についてお話ししました。患者会ウェブサイトや治験情報の共有方法、漫画プロジェクトの紹介などが行われました。

  • 今後の活動予定治験情報の発信: 患者会ウェブサイト及び国立精神神経医療研究センターのポータルサイトで治験情報を掲載予定。

  • 漫画プロジェクト: FSHDの日常をユーモアたっぷりに描き、認知度を高めることを目指しています。プロジェクトメンバーの募集を行っていますので、是非ご参加ください。

  • 患者登録: 現在の患者登録数は約190人名です。今後も積極的な登録を呼びかけます。

  • アジア地域のハブとしての活動: FSHDの患者同士の繋がりを強化し、アジア地域の中心となることを目指します。

  • 医療・製薬企業との連携: 今後も医療機関や製薬企業との連携を深め、治療薬の開発と普及に努めます。今後も有志のメンバーを募り、活動を活発化させていく方針です。皆様のご協力とご参加をお待ちしております。


2.治療薬最新動向

2024年5月13日、フルクラム・セラピューティクス社(Fulcrum)は、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)の治療薬として研究されている経口低分子であるロスマピモドの開発と販売についてサノフィ社(Sanofi) と提携およびライセンス契約を締結したことを発表しました。ロスマピモドは現在、国際共同治験第3相が進行中であり、フルクラムは2024年第4四半期に試験結果を報告する予定です。結果が良好であれば、米国、欧州、日本などで販売申請を行う計画です。日本のFSHD患者にとって非常に有益なニュースです。ロスマピモドが日本で承認・保険収載されれば、FSHDの進行を遅らせ、筋肉の健康を改善する初の治療薬として期待されています。


3.FSHD患者レジストリ(REMUDY)の登録促進

2024年6月現在、FSHDのREMUDYに登録されている方は約190人です。この数は、私たちが研究や治療の向上のために必要な情報を十分に提供するには少ないものです。

REMUDYは、私たちの研究や臨床治験に貴重な情報を提供し、将来の治療法や医療の向上に役立ちます。あなたの情報が、私たちのコミュニティ全体の力になります。

まだREMUDYに登録されていないのであれば、ぜひご登録ください。個人情報は厳重に保護されます。

登録することで、最新の治療法や臨床治験に参加する機会を得られるかもしれません。また、私たちの研究や患者支援活動に貢献することができます。

あなたの参加は、私たちのコミュニティの成長と発展に不可欠です。ぜひこの機会に、一緒に未来を築いていきましょう。

登録方法については、以下にご連絡ください。。

神経筋疾患患者登録センター Remudy(レムディー)事務局

電話/FAX042-346-2309(直通)

皆さんのご登録をお待ちしています。

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